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赫い髪の女

この愛おしい想い、この激情…。愛欲のうねりに身を任せ、情痴の底へと落ちていく男と女。ダンプカーの運転手・光造(石橋)は雨の道で、まるで捨て犬を拾うかのように、赫い髪の女(宮下)を拾った。それから始まる愛欲の日々。部屋の下にはシャブ中の女が住んでおり、その生活は、彼女に“ある過去”を思い起こさせる。そんなある日、光造は彼女を姉(絵沢)の家へ連れて行く。姉は赫い髪の女を以前、見かけたような気がすると言い、その言葉は、なぜか彼女をひどく怖がらせた。だが、光造にとっては、女の過去など、どうでもいいこと。官能の赴くまま、ふたりは“今”だけに身を任せるのだった…。匂い立つ如き官能性と役者の息づかいさえ聞こえてきそうな濃密な映像。名匠・神代辰巳の傑作の誉れ高い一作だ。※ 配信方法によって収録内容が異なる場合があります。 特集 にっかつロマンポルノ 100周年記念特集

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発売日2004-07-01 09:59:08
収録時間74
シリーズ
ジャンル人妻・主婦、成人映画、ハイビジョン
女優宮下順子、亜湖、山口美也子、絵沢萠子、石堂洋子
レーベル
品番141nkt075
価格550~

レビュー

この作品が撮影された当時は中上健次原作の小説が次々と映画化された頃で、 長谷川和彦「青春の殺●者」や藤田敏八「十八歳、海へ」に柳町光男「十九歳の地図」「火まつり」などがあり、 著書以降に登場する村上龍・村上春樹・高橋源一郎らの戦後世代における新しいタイプの文芸作品の映像化の先駆でもあった。 特に中上健次は熊野の被差別部落をルーツとする、 近親相姦も行われる複雑な血縁関係により、 閉鎖的・封建的な土壌から生み出される因習怨念憐憫欲望が塊となって、 霊性を放つ熊野の大森林と枯木灘の波濤が作り出す大自然を背景に、 濃密かつ神話的な世界を描き出した点に特徴がある。 ラテンアメリカの魔術的リアリズムの作家たちと共通していて、 寓話性もありストーリーに破綻もあるので、 この映像化もあまり筋を追っていても意味がない。 その特異な世界にどっぷり浸るのが正しく、 紀伊半島の地図が張られた海沿いの安アパートで繰り広げられる最底辺の世界を、 濡れそぼる淫臭漂うタッチで描いた神代監督の手腕に脱帽。

日本映画を語る中でこの作品を外すことはできないでしょう。監督はもちろんのこと役者陣に骨がある。宮下さん、石橋さん以外には考えられない作品です。変な表現ですが「生(ナマ)の人間を感じる」映画です。

ばっちり昭和という時代の自由奔放さ、寛容さが出ている名作ですね。宮下順子・石橋蓮司のコンビもピッタリ。そして憂歌団のバックもリズミックにノリノリ、どれもこれも素晴らしい。こういう時代もあったのだ。泥臭くて、生臭い、ドロドロとした男女関係がここに展開される。けれど今の時代より、もっと貪欲に、もっと過激に生きることが出来た。まだ、そんな余地が残されていたように思います。それにしても宮下順子の声が色っぽいことといったら・・・。明らかに昨今のAV熟女たちとは一線を画す存在。最初に彼女の声を聞いた時、そんな気がしてしまったのは私だけだろうか。

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